手足のしびれでお困りの方は少なくありません。
しびれを主な症状として医療機関を受診しても、原因を特定するための検査が十分に行われず、 症状についての説明や今後の治療方針がはっきりしないままとなることがあります。
医療者にとっても、しびれの診療は判断が難しい分野の一つです。 しびれの多くは数値として表しにくく、通常の画像検査だけでは原因を確認できない場合があるためです。
しびれの主な原因と分類
手足のしびれの原因は、大きく分けると次のようなものがあります。
- 脳・脊髄・末梢神経など、神経系の障害によるもの
- 精神的な要因や過換気などに伴うもの
- 糖尿病やビタミン欠乏など、ほかの病気に合併するもの
- 病気ではない一時的なしびれ感
しびれを引き起こす病気は非常に多く、症状が現れる部位、左右差、発症時期、 症状の進み方などを確認しながら、原因を絞り込んでいく必要があります。 主なしびれの原因を以下にまとめています。
| 障害される部位・分類 | 主な病気・原因 | |
|---|---|---|
| 大脳・脳幹・脳神経 | 脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、多発性硬化症、脳炎、三叉神経痛など | |
| 脊髄・脊髄神経根 | 脊椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症、 脊髄梗塞、脊髄動静脈奇形、脊髄動静脈瘻、多発性硬化症、 脊髄炎、亜急性連合性脊髄変性症、HTLV-1関連脊髄症など | |
| 末梢神経 | 単神経障害 | 手根管症候群、肘部管症候群、橈骨神経麻痺、 腓骨神経麻痺、足根管症候群、帯状疱疹など |
| 多発単神経障害 | 血管炎、膠原病関連疾患、サルコイドーシス、 多発脳神経障害など | |
| 多発神経障害 | 糖尿病、尿毒症、ビタミン欠乏、アルコール多飲、 ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、 Charcot-Marie-Tooth病、家族性アミロイドポリニューロパチー、 アミロイドーシスなど | |
| 腫瘍に伴うもの | 傍腫瘍性神経症候群、腫瘍による圧迫など | |
| 感染症 | HIV感染症を含む感染症など | |
| 中毒性 | 重金属、農薬、有機溶剤など | |
| 薬剤性 | 一部の抗腫瘍薬など | |
| その他 | 電解質異常、過換気症候群、下肢静止不能症候群など | |
※日本神経学会ホームページの情報を参考に、一部改変して作成しています。
しびれの原因は多岐にわたります
しびれは、原因となる病気や病態が非常に多い症状です。 神経の圧迫によるものだけでなく、皮膚疾患に伴うしびれ感、 アレルギー反応や外因性物質の摂取によるもの、 緊急治療が必要な病気、神経難病、糖尿病などの代謝性疾患によるものまで、 幅広い原因が考えられます。
そのため、しびれがある部位だけを見るのではなく、全身の状態や既往歴、 服用している薬、生活習慣なども含めて総合的に診察することが重要です。
総合内科と脳神経内科の視点から診断・治療を行います
一般的な原因によるしびれであれば、診察や検査によって比較的早く原因を特定できることがあります。 一方で、那覇セントラルクリニックの脳神経内科には、 他院を受診しても原因が分からなかった方や、 複数の要因が関係していると考えられる方も受診されています。
当院では、全身の状態を確認する総合内科的な視点と、 脳・脊髄・末梢神経を専門的に診る脳神経内科の視点を組み合わせ、 しびれの原因を丁寧に調べていきます。
筋電計を用いた専門的な検査を行っています
しびれの原因を客観的に捉えるため、神経学的診察や血液検査に加えて、 必要に応じて筋電計を用いた神経伝導検査や、 MRI・MR neurographyなどの画像検査を行います。
神経伝導検査は、末梢神経に電気刺激を加え、 刺激が神経を伝わる速さや反応の大きさを測定する検査です。 末梢神経がどの部位で、どの程度障害されているかを客観的に評価するうえで、 重要な検査の一つです。
しびれの診療では詳しい問診や神経診察が必要となるため、 診察や検査にお時間をいただく場合があります。 あらかじめご了承ください。
当院では、臨床神経生理学に関する専門的な知識を持つ医師と技師が、 筋電計を用いた検査に対応しています。 手足のしびれが続いている方、症状が徐々に広がっている方、 他院で原因が分からなかった方はご相談ください。
突然のしびれには注意が必要です
突然、身体の片側にしびれが現れた場合や、 しびれとともに次のような症状がある場合は、 脳梗塞や脳出血など緊急性の高い病気の可能性があります。
- ・側の手足や顔がしびれる
- ・手足に力が入りにくい
- ・ろれつが回らない
- ・言葉が出にくい、理解しにくい
- ・急にふらつく、歩けない
- ・激しい頭痛が突然起こった
このような症状が突然現れた場合は、通常の外来予約を待たず、 速やかに救急車を要請するなど、緊急医療機関を受診してください。