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てんかんを持つ人の日常生活

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院長:宮城哲哉 那覇市の神経内科・脳神経内科なら小禄セントラルクリニック
皆様こんにちは。
以前に当院がてんかんを診療する 指定自立支援医療機関 であることを記載させて頂きました。
その記事はこちらです。
てんかんについてナショナルセンターでの研究と診療経験を地域医療に還元できるよう励んでおります。
診療の中で、てんかんをお持ちの患者様が求められて説明させて頂いている内容をブログでもお示しします。
まずは、てんかんを持つ人の日常生活での注意点についてです。

 

1. 生活のリズムについて

睡眠不足や過労などによる不規則な生活が、てんかん発作の誘因となります。

服薬遵守と並びてんかんの治療にもっとも大切な事は、規則正しい日常生活です。

飲酒は強くは推奨はできませんが、最小限に留めるよう工夫されて下さい。

2. 服薬について

てんかん治療は薬物療法が主体であり、指示通り服薬することで治療が始まります。

例えば病院から抗てんかん薬を受け取ったら、全ての袋に飲むべき月日、朝食後・夕食後などを記入し、翌日分を寝る前に準備するなど、服薬を習慣化し生活の一部にするように心掛けましょう。

3. 副作用について

抗てんかん薬に共通する副作用には眠気やふらつきなどがあり、お薬ごとに程度に差があります。

ある程度慣れてくることが期待出来ますので、軽度の眠気やふらつきであれば暫く様子をみましょう。

日常生活への新たな阻害となっていれば減薬や中止をしますのでご相談下さい。

その他に、各々の抗てんかん薬に特有の注意すべき副作用があります。主治医から説明を受けてください。

4. 入浴について

入浴は血行をよくし気分転換になり、毎日の生活を健康的にすごすために欠かせないものです。

てんかん発作をもつ方々も同じです。

ただし、発作を起こし易い不安定な時期は、風呂場での発作によって浴槽に沈んでしまう、浴槽の角や水道の蛇口などに頭を打つ、など事故の心配があります。

てんかんを持つ人の日常生活|小禄セントラルクリニック 那覇市

入浴で心がけておきたいことは、下記となります。

a.風呂場には危険な物をおかず、整理整頓しておくことが望まれます。床面の状態によってはクッションのあるマットを敷くなど適宜工夫を要する場合もあります。
b.けいれん発作が頻発している時期は入浴を暫く控えるか、短時間で済ませましょう。
c.けいれん発作が頻発している時期は入浴よりもシャワー浴が安全であり、シャワー浴では立位より風呂椅子やシャワーチェアの利用が安全です。
d.発作が安定していない時期に入浴する時は、家の人に声をかけてから入浴することをお勧めします。また、風呂場は錠をかけないようにしましょう。
e.もし、入浴中にけいれん発作を起こしたら、発見者は安全な場所に移し介助します。水を飲んでいないか確かめ、溺水状態やひどい怪我のときは救急処置が必要となります。

5. 『水泳は禁止されることが多いのですが、どのような条件下であれば泳いでよいのでしょうか。子供の場合はいかがでしょうか?』

子供は水浴を好み泳ぎたがるものです。

水泳は発達成長していく子供にとって、体力づくりや精神力を鍛えるのに、もっともふさわしい活動の1つといえます。

しかし、残念なことに、てんかん発作をもっているということだけで無条件に水泳を禁止してしまう現実があります。

てんかん発作は突然に起きるので溺れるという危険性を含みます。

てんかん発作は放心状態、活動後に休養するとき、眠気を催しているときに起きやすく、筋肉運動や適度の心理的緊張を伴っているときには起き難いといわれています。

ではどのような条件がととのえば水泳を許容できるのでしょうか。

a. てんかんをもつ子供の親が子供の発作をよく理解し、抗てんかん薬を服用する必要性を十分に納得していること。
b. 発作が少なくとも1年以上一度もないこと。
c. 水泳の監視者、特に担当の先生が、医師の意見を十分に理解しており、十分な注意を払うことが出来る場合。
d. 以上の条件がととのったうえで、万が一不幸な事故が起きたとしても、その責任は保護者自身にあることを親があらかじめ納得していること。

以上を踏まえ、水泳実施にあたっての留意点をあげてみます。

a. 水泳は安全性を考えてプールに限ります。海や川での遊泳は避けます。
b. 水泳は連日でなく週に2~3回まで、時間は15分以内とし、休憩時間をとります。
c. 子供の水泳歴、基礎体力、指示に従うことができるか否かなど、水泳時の監視体制を考慮します。プールサイドの監視者は監視区域を明確にして、常に子供を視野に入れておきます。監視者は救急法を修得しておく必要があります。
d. 飛び込みや、もぐりはさせないようにします。

 

6. 高所作業について

仮に発作が安定している状態であっても、発作時に生じうる事故の重大さを考えた場合,高所作業を専従とした職を継続せず、部署や配置換えを職場へ申し出ることをお勧めします。

診断書を要することもあるかと思われますので主治医と相談をしましょう。