BLOG
患者様に役立つ情報を発信。
女性に多い甲状腺の病気 ― 橋本病・バセドウ病の特徴と治療
ブログ
              |  |  こんにちは。那覇セントラルクリニックの加藤です😊 今回は、甲状腺疾患についてお話しします。 | 
甲状腺は首の真ん中にある蝶々のような形をした小さな臓器です。
甲状腺からつくられる甲状腺ホルモンは健康を維持するうえで欠かせないホルモンです。
甲状腺ホルモンは少なすぎても、多すぎても、さまざまな不調をきたします。

甲状腺ホルモンが少なくなる病気 ー慢性甲状腺炎(橋本病)ー
【症状】
- ・最近とても疲れやすく、やる気が出ない
- ・寒がりになり、汗をかかなくなった
- ・便秘がひどくなった
- ・朝、手や顔がむくんでいることが多い
- ・肌が乾燥して荒れやすくなった
- ・物忘れが多くなり、集中力が続かない
- ・月経の量が多くなったり、長く続くようになった
- ・くびの圧迫感、違和感、声がかすれる
- ・健康診断で「甲状腺が腫れている」と指摘されたことがある
 
 
【橋本病とは】
橋本病は、30~40代の女性に最も多く見られる甲状腺の病気で、自己免疫の異常により甲状腺に慢性的な炎症が起こる疾患です。男女比は約1対20~30と、圧倒的に女性に多い疾患です。
橋本病でも、必ずしも甲状腺機能が低下するわけではありません
約70~80%の方は甲状腺機能が正常に保たれています
妊娠を希望される方や妊娠中の方は、不妊や、流産・早産の原因になることもあり注意深い管理が必要です
【治療】
甲状腺機能が正常な場合 定期的な検査での経過観察が基本となります。
甲状腺機能低下症がある場合 飲み薬で不足したホルモンを補充します。適切な量を服用することで症状は改善します。
甲状腺ホルモンが多くなる病気ーバセドウ病、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎などー
【症状】
- ・心臓がドキドキする、動悸がする、脈が速い
- ・汗を異常にかくようになった
- ・暑がりになり、暑さに耐えられない
- ・食べても食べてもやせていく
- ・手がふるえる
- ・疲れやすく、筋力が落ちた感じがする
- ・息切れする
- ・イライラしやすく、集中力がない
- ・目の症状 (目が出てきた まぶたが腫れぼったい 物が二重に見えることがある 目が乾燥して痛い)
- ・下痢や軟便が続いている
- ・首の前が腫れている
甲状腺ホルモンが多くなる病気の中でも代表的なものがバセドウ病です。
【バセドウ病とは】
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に作られる代表的な病気で、20~40代の女性に最も多く発症します。男女比は約1対5~6で、女性に多い疾患です。
自己免疫の異常により、甲状腺を刺激する抗体(TSHレセプター抗体)が作られ、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで様々な症状が現れます。
放置すると、心不全、不整脈、甲状腺クリーゼ(生命にかかわる重篤な状態)を起こすことがあり、適切な診断と治療が必要です。
【治療】
バセドウ病には3つの治療方法があります:
- 1.内服薬による治療(抗甲状腺薬)
 服用開始から2~3週間で効果が現れ始めます 1~2年程度で内服終了できることもありますが、長期間継続が必要なこともあります。
 
 
- 2. アイソトープ(放射線)治療
 内服治療で効果が得られないとき、副作用で内服薬が使えないときに選択されます。
 
 
- 3. 手術療法
 内服治療で効果がえられないとき、副作用で内服薬が使えないとき、大きな甲状腺腫がある場合に選択されます。
甲状腺疾患は適切な診断と治療により、症状が改善します。気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。