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片頭痛治療~適切な治療介入を経て明るい笑顔へ~
4月19日のブログ記事
片頭痛の本質は、以下に纏まります。
・生活の質を大きく損なう(中等度以上の頭痛、活動により増悪する頭痛)・被刺激性の亢進(吐気、嘔吐、音過敏、光過敏)
・被刺激性の亢進(吐気、嘔吐、音過敏、光過敏)
・頭痛は発作性で持続時間は4~72時間
片頭痛の特徴として、拍動性(ズキズキ、ズッキンズッキン)と片側性(右だけが痛い、左だけが痛い)と予兆(胃部不快、空腹感、眠気、むくみ、等)はもちろん有名です。
しかし、片頭痛に特異的で他の原因の頭痛と見分ける鍵となるとは言い切れず、多種多様な他の原因からの頭痛でも生じうる類の特徴です。
『視覚性前兆(芥川龍之介の歯車におなじみの「閃輝暗点(キラキラした光、ギザギザの光で一部視野が欠ける)」)があり、1時間以内に片頭痛発作がはじまる』というのも特徴的ではありますが、片頭痛が「前兆のある片頭痛」と「前兆のない片頭痛」と分類されていることからも分かるように前兆は片頭痛と確定するのに必須の事項ではありません。
画像 https://www.shinchosha.co.jp/writer/619/ |
天候変化、アルコール摂取、ワインやチーズの摂取、月経、過眠、睡眠不足、などにより誘発および増悪しやすいことも片頭痛の特徴ではありますすが、捕捉的な意味合いにとどまります。
片頭痛発作の機序については、発作のトリガーについては未だ不明な点が多いものの、三叉神経血管説、各種神経伝達物質、各種血管作動性物質、逆行性の伝導、順行性の伝導、CSD(cortical spreading depression)、などに代表される解明されてきた機序も多くあります。
片頭痛発作の機序・病態の解明は確実に一歩一歩前進しています。
その過程で、片頭痛の機序に沿った適切な治療薬が開発され、片頭痛患者さんの人生の質を上げることに寄与しています。
片頭痛発作によって日常生活・仕事を損なってしまうのが働き盛りの女性に多いことを考えても、新しい適切な片頭痛治療は社会貢献であると言っても過言ではありません。
片頭痛の治療は、変革期を迎えているといえます。先日の私の執筆記事が参考になれば幸いです。
繰り返しで恐縮ですが、大切なのでもう一度お示しします。
これまでに、コントロールされていない片頭痛のために長期間にわたり我慢するばかりで人生の質を落としていた片頭痛患者様を診療する機会を多くもってきました。
適切な治療介入を経て明るい笑顔へと変わった患者様方の顔を思い出すと、片頭痛専門医・指導医としてお役に立てたという鮮やかな気持ちが今でも思い出されます。