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多様なしびれに専門医・専門技師が対応|しびれ診療②
皆様こんにちは!院長の宮城です。
今回は、『しびれ』についてお伝えします。
手足のしびれで困っている患者様は多いのではないでしょうか。
しびれを主訴に大きな医療機関を受診しても、原因についての検査が足りておらず、説明も治療方針も不明瞭なままであることが多いようです。
医療者側にとっても、しびれの診療は苦手だという声をよく耳にします。
「しびれ」の殆どが数値化できず、画像検査でも「多くは視認も出来ない」ことが大きな理由です。
手足のしびれの原因を大別すると、
・【脳・脊髄・末梢神経といった脳神経系の障害】
・【精神的なもの】
・【他疾患に合併するもの】
があります。
【疾病ではないしびれ(感)】も見受けられます。
鑑別診断は文字通り無数ともいえるでしょう。
以下にしびれを引き起こす主な病気についてまとめました。
大脳、脳幹、脳神経 | 脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、多発性硬化症、脳炎、三叉神経痛など | |
脊髄、脊髄神経根 | 脊椎症、脊椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症、脊髄梗塞、脊髄動静脈奇形、脊髄動静脈瘻、多発性硬化症、脊髄炎、亜急性連合性脊髄変性症、HTLV-1関連脊髄症など | |
末梢神経 | 単神経障害 | 単神経障害 手根管症候群、肘部管症候群、撓骨神経麻痺、腓骨神経麻痺、足根管症候群、帯状疱疹など |
多発単神経障害 | 血管炎、膠原病関連疾患、サルコイドーシス、多発脳神経障害など | |
多発神経障害 | 糖尿病、尿毒症、ビタミン欠乏、アルコール多飲、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、Charcot-Marie-Tooth病、家族性アミロイドポリニューロパチー、アミロイドーシス | |
腫瘍 | 傍腫瘍性、圧迫性など | |
感染症 | AIDSなど | |
中毒性 | 重金属、農薬、有機溶剤など | |
薬剤性 | 抗腫瘍薬など | |
その他 | 電解質異常、過換気症候群、下肢静止座不能症候群など |
(日本神経学会ホームページより一部改変し作成)
しびれの原因は実に幅広いです。
症候学の中でも、しびれという症状は原因疾患・病態の多様さはトップクラスの症状であり、全身を診ることの出来る医師にのみ対応が可能といっても過言ではないと思われます。
神経の圧迫による痺れ、皮膚疾患によるしびれ(感)、アレルギー反応や外因物質摂取からのしびれ、緊急治療を要する疾患によるしびれ、神経難病によるしびれ、糖尿病など代謝性疾患によるしびれ、と幅広いのです。
一般的な原因による痺れならば診断・治療に手間取ることは少ないものの、小禄セントラルクリニックの脳神経内科には他院受診後で原因不明や複雑な原因からくるしびれの患者様も多く受診されます。
当院では、総合内科専門医として全身を診ながら神経内科専門医として神経疾患が原因となる痺れを篩にかけて診断・治療しております。
しびれの客観的指標をなるべく捉えるため、系統的神経診察と採血検査に加えて、筋電計を用いた末梢神経伝導検査とMRI(MR neurographyを含む)検査も行います。
そのため、問診と診察にお時間を頂きますことをご承知くださりますようお願いいたします。
次回の記事でご紹介しますが、しびれの中でも特に『末梢神経障害によるしびれ』は原因が多岐に及びます。
そして筋電計を用いた検査は、臨床現場においては末梢神経の障害を定量的に調べられる唯一の検査と言えます。
つまり、筋電計は「しびれの診療」では必須でございます。
小禄セントラルクリニックの特徴として、最新の筋電計を用いて臨床神経生理学会の専門医と専門技師が所属して対応しています。
沖縄県内に類似の医療機関は乏しく当院の特徴となってございます。
しびれに悩んでいる患者様の受診をお待ちしております。